キングオブコント2012 決勝 感想

準決勝も生で観に行ったキングオブコント
バイトも外し今年はがっつりリアルタイムで見ました。
 
とにかく今回は明暗がくっきり分かれたなと。
お客さんと芸人の間でもウケ方にだいぶ差がありましたね。
 
しかしOPで浜田さんが不機嫌なように思えたんですが、誰か挨拶しなかったとかあったんですかね?
 
 
コンビ別のほうが書きやすいのでコンビ別に書いていきます。
書いておくと全コンビ1本目のネタが準決勝でやったネタです。1本目のネタで勝ち進んでます。
 
 
<トップリード>
「面白くない」「つまらない」かと聞かれると決してそうではないと思うんですよ。構成がとにかくしっかりしていて練られていることがすごいわかります。ただ2本とも会場の雰囲気に合ってなかった。特に2本目は開始30秒で「あ、これ違うな」と感じてしまいました。
見てて思うのはお客さんに頼り過ぎなんじゃないかというところなんですよね。見る側がある程度ネタに対して描くイメージを脳内補完しないといけない。温かいお客さんならやってくれるからいいんだけど、そうじゃないとどうしても2人の世界に入りにくい。自分達で空気が作れてないんじゃないかと思いました。
 
 
1本目はまず鰻さんが緊張していてリズムがややよくなかったのを感じました。銀シャリらしい巧みさはあったんですが。準決勝ではこれがかなりウケてたというのが当日との違いであり大会の難しいところ。準決勝とどこで差が出たかと言われたら「奥さんをください」という設定そのものの面白さが最初に伝わらず、みんなが見る体勢に入ったように思います。そうなると設定以上のボケって実はそんなにないので辛いかなと。小刻みに積み重ねていってというのができていなかったように思いました。
2本目も言い回し等銀シャリらしい部分はありましたが、そもそもの設定があまりに古典すぎて退屈だったように思います。
とにかくこの大会で銀シャリは損しかしなかったんじゃないかなと。漫才が本職なだけに正直決勝に進ませたのが可愛そうだったかなと思いました。結果論ですが。
 
 
全体的に劇団員のコントというのを感じました。ネタそのものはほんとによくできています。
1本目はもう少しウケてもいいように個人的には思っています。最後のオチも革命で最初の座席順に戻るっていう、ほんとによくできてるなと。ちょっとだけぎこちなさはありましたかね。5人ならではのコントだったように思います。
そして2本目はもっと違ったコントが見たかったていうのが本音です。基本的に「座席の場所」という観点で笑いが全く変わってないんですよね。5人のよさを活かせるのってそれだけじゃないでしょというのを思わず。あともう少し5人の笑いとはまた別に笑えるポイントがほしかったです。オチはよかったですけどね。
まとめるとネタは最初からオチまでほんとによく作られてました。ただ劇という印象があって笑う場所がもう少しほしかったです。そして5人という部分に溺れたように思いました。
 
 
1本目はもう少し点数が伸びるかと思ってました。面白いと思ったんですけどね。
2本目は大会向きのネタではないんじゃないかなと。もちろんシュチュエーションとしてはかなり面白いんですが、山場というかネタの起伏が少なかったように感じます。いろいろネタを持ってるコンビなんで違うもので行ってもよかったかもしれませんね。結果論です。
松本さんがネタを見た後「上手やね」みたいな言葉を言っていたのが僕はすごい気になりました。この言葉はそもそも前のコンビに対する皮肉もあると思います。でも「上手やね」っていうのは決してコント師にとって褒め言葉じゃない。しっかりとした演技だし自分たちの演じたい世界観もばっちり作れてる、でも笑いとして足りないものがまだある。それを示してるんじゃないかなって思います。
正直今回の中では一番印象に残らなさそうな立ち位置です。
 
 
<しずる>
1本目はよくできていました。現代の子が特に好きそうなネタ。2人とも演技が上手くて世界に引き込まれます。特に池田さんのキャラクターは光ってましたね。
2本目は「がっかり先生」。設定そのものは決して悪くなかったと思います。最初のほうで笑いもありましたし。ただあまりにも変化のつけ方がこじんまりしすぎてるように感じました。もっと見せ方を変えないとワンパターンと感じてしまうかなと。
2本目で期待値を超えれなかったのが残念だったように思います。
 
 
いい意味で裏切られました。
1本目は、正直あの空気でかもめんたるはヤバいんじゃないかなーと思ってたんですよ。自分達で流れを作るタイプではないように感じてたので。でもVTRで小島よしおのいいアシストもあり(笑)。ちょっと黒い笑いでお客さんに引かれるかと思いましたが芸人さんにウケてましたね。テレビでやるにはわりと勇気のいるネタだったように思います。
2本目も面白かったです。が、最後1分で失速してしまったのがもったいなかった。う大さんのブラックに対して槇尾さんがそれを越えられないっていうのが辛いんですよね。ネタは展開上変えにくいのでもっと演技だけでも狂えれば、それでちょっと印象が変わってくるんじゃないかなと思います。
今回2人は「黒い」にこだわってネタをチョイスしてたように感じました。自分たちの見せたい物・よさを絞ってしっかりと見せれた、これがよかったように思います。
 
 
今大会で一番仕事をしたのは間違いなくこのコンビではないでしょうか。
一つ目の仕事はトップバッターの重役。この役割をしっかりとこなしていたこと。これがまず素晴らしかったです。
やってることは難しくない、なのに途中で生み出される意外性がすごくたまらなかった。まあ明らかに緊張は見れたんですが。あれもう少しゆっくりとしたテンポだったと思うんですよね。そこは悔やまれます。
そして2つ目は2本目が900点を大きく越えたこと。これで大会が一気に面白くなったように感じました。個人的にいたとん!は初めて見るネタだったんですが、かなり笑いました。早い話が今日の中で一番好きです。
さらばは設定自体はワンパターンなんですよ。なのに変化のつけ方がかなり豊富にとんでいて全く飽きない。これがたまらなくよかったです。はっきり言えば優勝してほしかった(笑)
 
 
<バイきんぐ>
1本目は教習所のネタ。これは始めに意外性があり、どこで出してもウケるネタだと思います。
2本目も面白く特に「今日はなんて日だ!」に笑いました。
ツッコミの声がよく出ている。これがやっぱり気持ちいいし面白いんですよね。特に今回は静かにツッコむコンビのほうが多かったので余計に目立つように感じました。
特筆すべきは、テンポがいつもより遅くちょっと間を空けていた部分が見られた部分。僕の兄が1本目で気付いて言ったんですが、この日はわりとゆっくりなテンポのほうがウケていたように感じたらしいです。確かに銀シャリとかのネタはずっと客席に流れっぱなしでつかんでる感じがしなかった。トップリードの邪魔!も早いテンポ。その中でうしろシティかもめんたるは心情を出すためにややゆっくりめにやっていた。
バイきんぐはこれを感じていたんじゃないかなと。そして気持ち間を空けていた。先述した「今日はなんて日だ!」もちょっと遅いんですよ。遅いんだけど逆に客席に響いたしそして爆発した。この当日の雰囲気を察してネタをやったっていうのがバイきんぐの勝因だったのかもしれません。かもです。
あと個人的に本音書くとバイきんぐが最近ずっとホームの舞台になってるんですよね。最後の点は祝儀も含まれてるように思いましたし。そういった意味でさらばに優勝してほしかったっていう(笑)
 
 
 
 
今年はとにかく無名のコンビに光を当てた大会でした。
結果的にまあ残念なコンビもいるんですが、それでもいつもとはまた違う楽しみがあったように思います。
 
バイきんぐはこれからいろいろチャンスがもらえると思うんでがんばってほしいですね。顔怖のキャラはそんなにかぶらないでしょうし、全体的な雰囲気に嫌味があるわけではないですからね。下積み時代のエピソードもいろいろあるでしょうし、売れる可能性があるコンビだと思います。
 
あとさらば、かもめんたるも大会前よりは確実にチャンスが増えると思うのでがんばってほしいです。
そしてトップリード、心配だなあ…。
 
 
というわけで以上です。
ここまで読んで下さった方、長文で申し訳ないです。たぶん大半が脱落してるでしょう。
ありがとうございました。
 
それではー。