コント「居酒屋」

コント「居酒屋」

 

(A、B、C 椅子に座って席を囲む 3人それぞれメニューを見ている)

客A「飲み物どうする?とりあえず生にしとく?」

客B「じゃあいいよ生で。」

客C「俺も。」

客A「了解。食べ物は?なんか食べたいものそれぞれ頼む?」

客B「いや、任せるよ、全部。」

客C「頼んだ。」

客A「あ、そう?じゃあまあなんかバランス考えて適当に頼むわ。(ちょっとメニュー見た後)あ、すいませーん。」

店員「はーい」

(店員、客の席に行く)

(みんなそれぞれメニューを見ている)

客A「すいません、えーと生3つと。」

店員「生3つで。」

客A「あとえーと…、シーザーサラダ1つ。」

店員「シーザーサラダ。」

客A「あとフライドポテト1つと…、鶏の唐揚げ1つ…、あと刺身の5種盛りもらえます?」

店員「刺身5種盛り…、以上で?」

客A「一旦とりあえずそれで大丈夫です。」

店員「かしこまりました。」

客B「あ、ごめんなさいあとこれ蛸の唐揚げ。」

店員「蛸の唐揚げ、お一つで?」

客B「あ、はい一つで。」

客C「あ、あとカンパチのお造り一つ。」

店員「カンパチ。」

客A「………。」

客C「と、ポテトサラダ一つ。」

店員「ポテトサラダ。」

客C「と、コロッケとかってあります?」

店員「ごめんなさい、コロッケはうちないですね。」

客C「あ、なら大丈夫です。」

店員「すみません。では以上で。ビールすぐお持ちしますね。」

客A「………。」

(店員、離れる)

客B「いやあ若いのにちゃんとしてる店員さんだなあ。」

客A「え、不満?」

客B「………?」

客C「………?」

客B「…ん、何が?」

客A「いや、頼んだメニュー?なんか任せるって言った割に追い注文すごかったから。不満なのかなあって。」

客B「…?いや別にそういうつもりじゃなかったんだけど。」

客A「いやまあいいんだけど、こうなんだろバランスとか考えて頼んでたからさ。唐揚げとかちょっと被ってたし、先言っててくれたら鶏頼んでなかったし。」

客B「ごめん、ごめん、メニュー見てたら急に食べたくなっちゃって。」

客A「いやまあお前はわかるんだよ全然。お前だよお前。」

客C「………俺?」

客A「お前何頼んだ?」

客C「えーと、カンパチのお造り。」

客A「5種盛り頼んでるのに追加で刺身頼むなよお前。入ってる可能性あるだろ。5種の中にカンパチ。」

客C「いや、入ってないだろ。」

客A「わかんねえだろ、そんなの。それでそのあとお前何頼んだ?」

客C「ポテトサラダ。」

客A「二枚抜いてきたなあ。フライドポテトとシーザーサラダと。きれいに被せてきたなあ。」

客C「別にいいじゃん。味違うし。」

客A「味は違うんだけどなんか重なるんだよ。品が。それでそのあとお前そっからコロッケ頼んだだろ。」

客C「おいしいじゃんコロッケ」

客A「お前、フライドポテトとポテトサラダですでに芋2品来てるのに、そっからわざわざ芋頼むんじゃねえよ!しかもメニューにないとこからわざわざ!」

客C「別にいいじゃんか。食べたいもの頼んで。」

客A「いやいいんだよそれは?ただそれだったら最初にこっちに任せなくてよかっただろって。」

客B「落ち着けってお前。そんな怒らなくていいだろ。」

客A「こっちも食べたいものあるんだよ揚げ出しとかホッケとか。それを一回全部任してきたからバランス考えてみんなが食べやすいように頼んでんの。」

客B「考えすぎだって。メニュー一つで。」

客A「考えるだろそりゃ。」

客B「あとお前バランスバランスいってるけど、それでフライドポテトと唐揚げはだいぶヤバいぞ。」

客A「ヤバくねえよ!」

客B「いや、大学生じゃん注文が。会社の飲み会とかでやったらお前上司怒ってクビになってるぞ。」

客A「ならねえよ!なるんだとしたらそんな会社そっちから願い下げだわ!とにかく、任せてからそういう感じだったから。食べたいものあるならもっと最初に主張しろって言ってんの!」

店員「すいません、こちら生3つになります。」

客B「あ、すいませんこの日本酒熱燗でもらっていいですか?(メニュー指しながら)」

店員「かしこまりました。」

(店員戻る)

(客B、ビールに口つける)

客B「ゴグ、ゴグ、ゴグ、ゴク…。」

(一気に飲み終える。)

客B「うっぷ。はあ。で、最近調子どうなん?」

客A「お前日本酒飲みたいんだったら言えよ!」

客B「?何が?」

客A「何がじゃねえよ!お前ビール嫌なんだったら変にあわさずにはじめからそう言えって!」

客B「別に嫌じゃねえよ、だから全部飲んだじゃん。」

客A「とりあえずさっさとこれ消化して次から飲みたいやつ飲むぞにしか見えねえよ!それで大丈夫かお前?すっげえ一気に飲んでたけど。大学生でも今やらねえぞそんな飲み方?」

客B「大丈夫だよ酒強いし。それに俺別に大学生じゃねえから。お前と違ってな。」

客A「うるせえな!あとお前せめて乾杯してから飲め!そういうルールだろ。そっちのほうが会社クビになるからな絶対。」

店員「すいませんこちら刺身5種盛りと、カンパチのお造りになります。」

(店員、置いて戻る)

客A「ほらやっぱかぶってんじゃねえかカンパチ!」

客C「別にいいじゃん、俺食べるし別に。」

客A「よくないんだよ!バランスを考えたいって言ってるの俺は!!5種に入ってくるんだってカンパチは。ほら、カンパチ、マグロ、サーモン、タコ、…蛸―――!!!」

客B「なんなんだよ急に!」

客A「蛸―――!!!蛸の唐揚げ―――――!!!!!」

客B「別にいいだろそれくらい。」

客A「………。決めた俺絶対2度とお前らとは居酒屋いかん。」

客B「なんで、そんな言われないといけないんだ。じゃあもういいよ俺ら帰るよ。」

客C「(うなずく)」

客A「ダメだよ!これからメニュー来るのに。食いきれねえだろ!」

客B「いやでも俺らもそんな今日食わないよ?この後あるし。」

客A「このあと?」

客C「俺ら別の飲み会誘われてて、このあと行く予定してんだよね。」

客A「メニューだけじゃなくて予定までかぶしてくんじゃねえよ!」