キングオブコント2013 決勝 感想

ざっくりと書いていきます。
 
 
1本目は客席はウケて芸人にウケないというわかりやすい感じ。緊張している感じはやや見られたように思う。唯一の700点台でしたが、さすがにもう少し高くてもいいかなーという印象は受けた。
2本目は微妙でした。日常にありそうでないところを突いていく彼らにとって、100億という数字は非現実的でコントの世界に入っていけなかったという感じはある。途中の2億等のくだりは好きでしたが。もっと人の面白さを描いたほうが彼ららしいのかもしれない。
 
 
2ネタに共通して言えるのはまず新ネタではなく結構前に作られたコントだということ。そのおかげで当時はかなり斬新だったんですが、今のお笑いが持つ振り切った独自性にややはついていけてなかったように思う。
そしてもう一つ、設定に対しての器用さというのが存分に出ててそれがよかったと思いました。見てて上手いこと作ってるなっていう場面がいっぱいあって楽しいですよね。加えて2本目はものすごい熱を持って言ってる男に半笑いで対応したり、2人の温度差が好きでした。
苦情来るのはスタッフもある程度覚悟してるしそれゆえにああやってネタにできたんだと解釈しています。しかし、あれで苦情が来てしまうというのも悲しいといえば悲しいかな。
 
 
上位陣が作り出した、荒れた空気に完全に負けたという印象でした。1本目は特にそうで、いつもと変わらない力を入れた演技はしてたけど、流れちゃったなと。
2本目は初めて見るネタで前半の設定自体はすごい面白かった。だけど、リズムネタに入ってから明らかにおかしくなったというか寒さすら感じてしまいました。今までやってきたKOCの流れに乗ろうとしたんだけど、完全にそれが裏目に出たっていう。他と違って音響照明使ってないから地味にも見えたし。いつものジギーらしさがそこにはなかったです。
 
 
<TKO>
1本目はすごいというかTKOはこういうネタもできる!っていうのを見せつけられました。木下のキャラクターに目がいきますが、木本が恐怖でぬいぐるみを叩きつける瞬間、あそこが一番狂気の世界だったと思う。変化し続ける笑いにしっかり対応してやっていってるっていうのは本気ですごいです。
2本目は、ん?でした。それこそ設定とキャラクターはよくできてましたが、トラブルの発想が安直だったと思う。下ネタも笑いにつながるものじゃなくてもガチに気まずくなるやつでよくないと思いました。
 
 
ここも荒れた空気に負けたのかなーと思ってしまう。
今回やったネタは2本とも主軸の笑いが太いネタだったと思う。ただ1本目はともかく、2本目はその主軸そのものが折られてるように思った。また音の出ない笑いの部分はシュールさは生みだすけど、同時に地味さも出て今日の雰囲気にはあってないという感じがした。
なんやねんっていう笑いが多い中に、はまっていかなかったかな。
 
 
天竺鼠
寿司ネタは準決勝では本来瀬下のセリフさえないネタだったので、そこの修正はかなり効いてたように思います。わかりやすくなるのと、何より「玉子さん」と明確に言葉にすることで、それって何なの?っていうツッコむポイントが生まれててよかったです。
2本目は前半はあさっての方向からやりとりが来るいつもの天竺ワールド。後半は自傷という危なさ、かつ効果音が合わない気持ち悪さの2重構造。さすがにもう少し点数低くてもいいのではというのが本音ではあります。
あと、ネタ終わった後のコメントは全組の中でもぶっちぎりでしたね。
 
 
<鬼ヶ島>
場を荒らし焼け野原を作りだした張本人だと思います。今日はすごいのってました。
とにかく力技でぐわーとネタに体ごと引っ張られる感じ。そして気付いたら終わってるっていう。野田の濃さに対して、もう一人濃いのにあまり目立たないキャラクターを作りあげるのがいつも笑ってしまう。
特に2本目に関してはフィナーレと自分たちの中での造語を上手く利用し、荒々しくでも難しくない展開の笑いを作りあげていたように思う。
正直ここまでやるイメージがながったので一番裏切られました。
 
 
とにかくブラックに気持ち悪くを研ぎ澄ましていて強烈なインパクトを与えられました。
1本目のオチなんて普通ではありえないものですからね。一瞬見てる側も混乱しかけるあのオチの持っていきかたはすごいと思う。
2本目はとにかく危ない奴で、正直、発言行動ともにギリギリのところを突いてきている気がした。ネタの攻撃的な部分を追求していった結果がこれだと思う。
トリを務めるってなったときぶっちゃけ不安だったんですが、プレッシャーを完全にはねのけ、気持ちよく優勝したっていう感じでした。
 
 
 
 
全体を通して
 
何回か書いてるけどとにかく今日は場が荒れていたように思う。
みんなで笑える大衆向けの笑いは今は徐々に消えつつあって、とにかく研ぎ澄まされた剥き出しのものを見せられてるように感じました。
このままこの方向で笑いを追求していったらどうなるのかっていうのはかなり興味を持っています。下手したら破滅に向かうんですけど、それはそれで面白いかなって思ってしまう。
ネタとしての笑いのニーズが徐々に小さくなってる分、残っていくものはこういったニッチな笑いなのかなと思いました。
 
とにかく今年は予想してたのと全然違いました。毎年予想書いて外しまくってるので恥ずかしい限りです。
来年は果たしてどのようになるのか、全く見当もつきませんが、楽しんで見れたらそれで十分だなって思っています。
 
 
以上です。
それではー。