新人演芸大賞 感想

木曜に収録され、金曜に放送されたNHK新人演芸大賞。
 
実際収録を観に行ったのでその簡単なレポを書いていきます。
 
ホールは2階席も使用するくらいの人の多さ(1000人近い?)で、客層はほんと老若男女幅が広かったです。全ての世代の人が笑えるものを求められる非常に難易度の高い大会でした。
 
 
個別感想。
 
1本目
Aブロック
 
いつもに比べたらかなりスローなテンポだったと思う。それでも十分早口なんですか。また一区切り一区切りをしっかりつけてテンポをわかりやすくしていた。拍手が間に出るのは大阪のホームならではの出来事なんだと思います。
一つ一つのネタはそんなに強くないしボケるまでの助走に時間はかかってしまうのが欠点。でも大会に合わせてるという感じはありました。
 
ビーフケーキ>
初めて見るネタで普段もあまり見たことがないコンビなんですが、ここは衝撃だった。すごい面白かった。
万引きというありきたりな設定のなかで、ここ突いてなかったなーというのを見せられたのでまず驚き。カレーというワードから連想される要素を近くから遠くへなるように上手に使っていたし、盗みで本格的なのを目指そうとしている筋の通らなさ。そして最後のオチも他の組コントに比べたらはるかにビシッと決まっていた。
正直、完璧というかこれ以上修正しようのないネタだと思います。あと実は時間が3分59秒とほぼきっかりだったのでそこも感動しました。
 
THE GEESE
「あ」から始まる言葉だけで全て返す縛りの面白さ。ギースならではの知的さ、器用さが存分に出ていたと思います。
このネタ見ていつも残念に思うのは、最大のウケるポイントが「阿佐ヶ谷姉妹」だということ。どうしても身内感があるし、特にこういうコンテストになるとどうしても評価しにくい部分があるかなと。
緻密さにうなることはできるけど、ネタの中にパンチのある部分がどうしても欲しいとは思ってしまいます。
 
うるさいという一つの要素でありとあらゆる不条理を見せつけられるのは楽しいしわかりやすい。前見た時より機械音が低く重くなっていて、よりうるさいという要素が伝わりやすく改良されているなと思いました。
強いていえば後半の展開というか、なんとなく失速してしまっている感じはある。
 
 
審査は納得だったし、ビーフケーキが勝ち上がることは予想してなかったので、おー!って心の内でなってました。
 
 
 
Bブロック
 
<学天即>
個人的に「得点が2乗になります!」の部分が一番好きです。あと1回休みの意味のわからない無駄な時間と。
いろんな角度から攻めてくるので見ていて気持ちいいしまったく飽きない。急に終わる感じがあるのが唯一気になったりはしますが、後半徐々にテンポもあがっていくし安心して見れる漫才でした。
 
動き、表情のある漫才はスーマラにはかなり多い印象があって好きです。題材が4コマ漫画とその言葉を聞いただけではお客さんにイメージさせるものが少ないので、ちょっと手間がかかっちゃうかなと思いました。もちろんかなりわかりやすくはしてるんですが。
下地のイメージもないから、なかなかこう裏切っていくネタも作りにくいかなとは思います。
 
後半はほんと誰も予想してないとこにもっていく展開で、今までにない新しいものを作りあげるアルピーさが出てて面白かったです。問題は前半で、普通に妄想の話をしてるだけだから斬新さもないし、それこそ「こいつは何を言ってるんだ?」感が強かった。歌詞に対して勝手にそう取らえてるっていうだけで共感がしにくい。初めから目新しい要素がないと4分の漫才としては出来が悪くなるのかなと思いました。
ただ違う意味でちゃんと存在感は示していてパフォーマンスとしては素晴らしかったです。
 
<ロビンソンズ>
外国人に英会話といういかにもわかりやすい設定。なのに買いそうになってしまうし、そこにちゃんとした理由もあるのがよかった。他の組と比べると若干セリフに不自然さがあるような気はします。間なのか言い方なのか。なんていうかコントの会話って感じがする。設定や展開が十分面白いのだから、顔の要素をいじるのはこのネタにはいらなくて、展開上でオチを作ったほうがネタとして締まるのかなとは思いました。
 
 
審査は、面白いと思ったのだからアルコ&ピースに1票入ったのは仕方がない。
僕の中では学天即のほうが上だったので意外と競ったという印象はあります。
 
 
最終決戦はビーフケーキVS学天即。
ここで巨人師匠がハードルを上げて空気をいったん締める。
 
いままで感じなかったんですが、審査員がかなり空気を作ってるというのを今回初めて感じました。
特に横山たかし師匠のみんなを和ませるあの雰囲気はすごいと思う。大会になると緊張感というものはあるんですが、あれでだいぶ和らいでたし、演者もやりやすかったのではと思いました。
 
 
2本目
 
ビーフケーキ>
何をやるのかと思ったらまさかの。始め訂正するのかと思ったら両方ボケでそのまま突っ走るっていう。何をやってんねんっていうやつなんですが、かなりお客さんには受け入れてもらっていて、面白かった。がんばれ!みたいな空気にもなったのはいい意味で卑怯だったと思います。
 
<学天即>
「チリ横断」「縦断せえや!」が僕はすごく大好きで、あそこに気づいたのってほんとにすごいと思う。ボケ数も多く、1本目同様聞いてて全く飽きない。強いて言うなら本町乗換のあのくだりは、僕は嫌いです。大阪に住んでないからわからないってだけなんですけど、なんか全国の大会でやられてもって。
 
 
 
ぶっちゃけ学天即の圧勝だと思ってました。ウケ具合にそこまで差はないけど、やっぱり万人ウケというか安心感というかそういうので。なので3票入ってた時思わず「マジか」とは言ってしまいましたね。
 
優勝は学天即で今まで一度も賞を受賞してないのが不思議なくらい、貫禄の出来。
ビーフケーキも今回の大会でかなり存在感を示していた。
 
今回すごいいいなーと思ったのは8組ともちゃんとネタやってウケてたことで、毎年この大会って1組くらい本スベリしてるところが出てくるんですが、今回それがなかったっていうのが素晴らしかった。
ほんとに観覧にいってよかったと思うくらい楽しかったし、和やかに見れました。
 
 
以上です。
それではー。