漫才 「デートで夜景を見せる」

漫才 「デートで夜景を見せる」
 
B「○○○と申します。よろしくお願い致します。」
A「この年になってくると女性とちゃんとお付き合いしたいなと思いまして。」
B「ほう。」
A「言っても僕ももう数十歳ですから。」
B「大概の大人は数十歳やけど。でももし本気やったら例えばデートに誘って、夜の綺麗な景色を見せるとかいいんちゃう?」
A「なるほど。」
B「女の子そういうの喜ぶと思うし。」
A「『ごめんね、急に夜中に呼び出して。』」
B「夜中はやめよっか。もう少し早い時間のほうがいいよ。」
A「なんで?」
B「店開いてないやん。」
A「店開いてないやん?」
B「それにこの季節やったら夜中なんて寒いし、楽しいデートも楽しくなくなるで?」
A「いやでも寒いほうがいいやん。」
B「いやだから、寒すぎると辛いし、女の子は嫌がるって。」
A「寒いほうが絶対いいやん。俺寒いのいけるし。」
B「お前がいけるかはしらんけど。相手が帰りたくなるって。」
A「寒いほうがいいやん!!!!」
B「『寒い』で熱さ見せてくんなよ。謎の熱意。ちゃうねん、俺は今お前の感情じゃなくて納得できる理論がほしいねん。もっとこう夜の9時くらいとかでいいから、女の子にキレイな夜景をバッと見せるわけ。」
A「『うわあ、綺麗なオーロラ…!』」
B「北欧なんここ?お前北欧行こうとしてんの?オーロラやったらそりゃ夜中で寒いほうがいいよ。」
A「女の子は、オーロラを見せたら一発やから。」
B「北欧までついてきてくれる女は何を見せても一発やろ。好きでなかったらそこまできてくれんし。お前デート誘って、ちゃんと来てもらえる算段あるんか?」
A「うーん、五分二分。」
B「三分どこいってん。ほんで五分あるし。違うもっと近場でいいねん。例えばホテル。上の階の、夜景の見えるレストラン。」
A「1階には、先が見えないホテルマン。」
B「何があってん。賃金上げてあげて。で、そこで二人で料理を食べるんや。」
A「『うわあ、この牛丼おいしい!』」
B「あんまないやろ。レストランでがっつり米中心にならへんやん。それでそうしてる間に、彼女に1回窓の外を見てもらうねん。そしたらサプライズで、街の電光掲示板にメッセージが書かれてるわけ。」
A「『オ・ー・ロ・ラ』」
B「書かれてるか!意味が分からんやん。」
A「いやでも女の子は、オーロラを見せたら一発やから。」
B「活字のオーロラでは無理やろ。周りもそれ見て何思ったらいいかわからんし。ちゃうやん、メッセージは、『お誕生日おめでとう』。そう、その日はなんと、デートに誘った彼女の誕生日!」
A「ええ!偶然!?」
B「調べとくねん…!だれがこんなところで365分の1の確率にかけるねん。ほんでや、女の子に箱に入ったプレゼントを渡すわけ。」
A「『わあ、綺麗なオーロラ!』」
B「箱の中どうなってんの?なあ?ちゃんと説明してくれ中身を。」
A「いやでも女の子は、」
AB「「オーロラを見せたら一発やから。」」          
B「ほんまかお前?なんか何回も聞いてるうちにそもそもそれも疑問に思い始めてきたぞ。とにかくそれでプレゼントを渡して女の子をオトすってわけ。」
A「なるほど、で、この漫才はどうオトすの?」
B「はい?」
A「いやだから、この漫才はどうやってオトすの?」
B「それどっちかというとお前の仕事やからね?」
A「整いました!この漫才のオチとかけまして、」
B「急に始めたけれど。」
A「1階のホテルマンと解く。」
B「その心は?」
A「どちらも先が見えません。」
B「みなさんそれで納得できます?まあいいや、ありがとうございました。」