漫才 「アンパンマンにはなりたくない」

漫才 「アンパンマンにはなりたくない」
 
A「○○○です。よろしくお願い致します。」
B「アンパンマンにはなりたくないですよね。」
A「急にどうしたんですか?」
B「アンパンマンにはなりたくない。」
A「子どもが聞いたら悲しみますよ?」
B「いやでも日常生活に支障をきたし過ぎると思うんだよね。だって朝起きるじゃん。顔洗うじゃん。顔が濡れて力がでないよぉ~。」
A「いやまあそうなるけど。」
B「朝一からだよ?嫌にならない?」
A「洗わなきゃいいじゃん。」
B「寝てる間に虫とかたかってたらどうするの?絶対洗ったほうがいいでしょ。」
A「なんかもう嫌な話だなあ。」
B「で、朝だから歯磨きするじゃん。そしたら歯ブラシにべったりあんこがついてるの。汚い。」
A「そもそもアンパンマンって磨く歯あるの?」
B「そしてうがいをするじゃん。ガラガラガラ。顔が濡れて力がでないよぉ~。」
A「水を口に含むかな自分で。」
B「なんなのこれ?朝から2回も。」
A「そうは言ってもねえ。」
B「うわ!そうこう言ってたらもうこんな時間!いってきま~す!やばい~!遅刻!遅刻!あ、ちなみにこれ今食パンくわえてるから。」
A「共食いじゃん。」
B「キーンコーンカーンコーン。危ない間に合った~!はあ…、急いだから汗かいちゃった。顔が濡れて力がでないよぉ~。」
A「汗かくのアンパンが?」
B「ほらまた。」
A「余裕を持って家を出なさいって。」
B「今日の1限は体育でプールか~。ザバーン。顔が濡れて力がでないよぉ~。」
A「完全に不注意じゃん。自分でわかるでしょそうなるの。」
B「なんなら、プール入る前の腰に浸かるのでもう危ういからね。」
A「あるけどね消毒するやつ。」
B「そして、プール出てる後の目洗うヤツでとどめを指す。目つぶし。」
A「自分を知らなさすぎるって。全部気を付けてたら防げるから。」
B「テクテクテク。ちゃぽん。ばぁ~ひぶ~へぼ~!!!」
A「バイキンマンが消毒層に浸かったらそりゃそうなるでしょ。弱点把握しとけよ。プールなら入らずに見学したらいいじゃん。」
B「嫌じゃない?アンパンマンどころかカレーパンマンや食パンマンやメロンパンナちゃんらみんながプールサイドで体育座りしてるの。」
A「さっきから思ってたんだけど、なんでアンパンマン含めみんな学校に通ってる設定なの?」
B「そしてその中を一人カバオくんだけが優雅に泳ぐ。」
A「カバだからねえ。いやでも別にカバオくん以外にも泳げるヤツいるでしょ。」
B「カバとは一緒に泳ぎたくない。衛生面的に。病気が移されそう。」
A「差別がひどいって。なんのために消毒層浸かってるんだよ。」
B「こんなんじゃアンパンマンでの生活はやっていけないよ。」
A「でも別にプールって一時期だけじゃんか。それ乗り越えたら学校生活くらいはなんとかなるんじゃない?」
B「いやいやそれでも1限体育だから。そしたらダメだから。なぜならヤツは、汗をかくから。」
A「めんどくさいなあ。それならバタコさんに1限終わりに替えの顔を持ってきてもらったら?」
B「嫌でしょ身内が学校に来るのは。」
A「うーんまあそうかな。」
B「大体、グラウンドにアンパンマン号が乗り入れてみなよ。犬どころでは済まないからね。みんなテンションMAXだよ。」
A「なんで校庭まで乗り入れるの?駐車場に止めるか歩いてきなよ。」
B「家から遠いし駐車場もないし路駐も厳しい。」
A「路駐を気にするバタコさん見たことないけど。それなら自分で顔を持ってきておけばいいじゃん。それで1限終わりに交換したら?」
B「アンパンを?1限に?」
A「そう。」
B「でもそれって…、早弁にならない?」
A「ならん。なったとしてもだろ。健康の問題だから。」
B「大体あの顔カバンに入れるにはでかいからね?持ってくるのが面倒。」
A「そんなの大きめのナップサックかなんかに入れたらいいでしょ。」
B「言っとくけど、その日水着か体操着も持ってきてるからね。そしたらナップサック2つ目になるんだけど。」
A「知らないよ。」
B「それにナップサックってほら、よく蹴とばして歩いたじゃん。学校着く頃にはもう中身ボロボロになってるから。」
A「生命線入ってるのになんで蹴とばして歩くんだよ。」
B「百歩譲って大丈夫だったとして、給食の時間ね。」
A「給食?」
B「給食。危険しかないから。みんなー給食の時間でーす。ちゃんと食べる前に手を洗って消毒しましょうねー。(手を抑えながら)ばぁ~ひぶ~へぼ~!!!」
A「バイキンマンバイキンマンでさっきからダメージ負ってるね。」
B「そしたらカバオくんが隅で一人で食べてるの。」
A「なんで?みんないるでしょ。」
B「いや、カバと食べるのは汚いしちょっと…。」
A「さっきからカバの衛生面を気にしすぎだって。」
B「あ!かびるんるん!一緒に食べよ!」
A「かびるんるん完全にアウトだから。基準どうなってんだよ。」
B「でもアンパンマンは世間体もあるから、カバオくんと一緒に食べるんだよ。」
A「世間体って言うな。」
B「あれ?どうしたのカバオくん。給食ほとんど残して。え?嫌いなものが多くて食べられない?しょうがないなあ。それなら僕の顔を食べなよ。顔が欠けて力が出ないよぉ~。」
A「自分からいっただろ今。」
B「ほら~また~。」
A「あげなきゃいいから。言ってもそれくらいでしょ?なんとかなるって。」
B「学校行事!体育祭!汗のオンパレードだからね。顔が濡れて力が出ないよぉ~。」
A「オンパレードって…。別に汗かかない競技も探せばありそうじゃない。」
B「例えば?」
A「大玉転がしとか。」
B「でもあれって、自分の顔が転がされてるみたいで気分悪くならないかな?」
A「気にしすぎだろ。共通点丸いだけじゃん。じゃあ飴食い競争。」
B「顔が粉まみれで力が出ないよぉ~。」
A「うーん。じゃあパン食い競争。」
B「パン…、食い…?」
A「まあ自分で言ってどうかと思ったけど。」
B「アンパンたちが…、ひもで…、首を吊るされている…。」
A「ごめん、まさかそう見えるとは思ってなかった。」
B「魔女狩りと一緒だよ?トラウマ映像だから。冷や汗かくわ。あ。顔が濡れて力が出ないよぉ~。」
A「わざわざそれ言うために見つけなくていいから。」
B「でもまあなんだかんだで体育祭も無事終わったなー。疲れたからお風呂入ろ。ざぶーん。顔が濡れて力が出ないよぉ~。」
A「自覚がなさすぎるだろ。注意しろって。」
B「うん。アンパンマンはやっぱり無理だな。なるとしたらやっぱりかびるんるん。」
A「かびるんるんの評価なんでそんな高いの?いい加減にしろ。ありがとうございました。」