コント「金の斧」
Ａ(斧で木を切ってるジェスチャー)
Ａ(斧を後ろに飛ばすジェスチャー)
Ａ「あ…、斧…。泉に…、落としちゃった…。」
Ｂ(上手から出てくる)
Ａ「わあ！」
Ｂ「私は、泉の精霊。」
Ａ「泉の精霊！？」
Ｂ「お前か？斧を落としたのは？」
Ａ「あ、あの…、その…。」
Ｂ「ああ、いいいい、すぐに返す。」
Ａ「ほんと！？」
Ｂ「だが、お前の落とした斧が、どれかわからなくなってのお。」
Ａ「………。」
Ｂ「木こりよ、正直に答えよ。お前が落としたのはこの、金の斧か？それともこの、銀の斧か？」
Ａ「………いいえ、私が落としたのは。」
Ｂ「………。」
Ａ「父の………、形見で………、(泣きそうになる)」
Ｂ「………ん？」
Ａ「すごく、大切にしてて…、絶対失くしちゃいけないやつだったのに…、(だんだん泣いてく)」
Ｂ「ちょ、待って。泣くの止めて。」
Ａ「なのに、落としちゃって…。ああどうしよう取返しのつかないことしちゃったって思って…。でも！精霊さんが泉からでてきてくれて、拾ってくれたと思ったから！こんな奇跡あるんだって思って！」
Ｂ「1回落ちつこ！な！」
Ａ「でも！選択肢になかったからあああ！！！(大泣きする)」
Ｂ「あるあるある！あるって！ほら！これ！」
Ａ(Ｂのほう向く)
Ｂ「な！ほら！これだろ！ちゃんとあるから！だから泣くなって！！」
Ａ(泣きやむ)
Ｂ「ほら、はい！！(斧を差し出す)」
Ａ「(Ｂのほうに近寄って受け取る)………。あ…、あの…、ありがとうございます。」
Ｂ「ごめんな、なんていうかその、知らなかったからさ。」
Ａ「あ…、いえ…。」
Ｂ「あ、あとこれ。(金と銀の斧も渡す)」
Ａ「え？いいんですか？」
Ｂ「いいよ、もともと渡す予定のやつだし。」
Ａ「あ…、ありがとうございます。」
Ｂ「いいよ別に。正直試そうとしたこっちが悪いんだし。まさかそんな大切なやつだと思ってなくてさ。」
Ａ「あ、いえ、こちらこそ取り乱してしまって、すみませんでした。」
Ｂ「いいよ。はい、じゃあ、帰り道、気を付けて。」
Ａ「すみません、ありがとうございました。」
Ｂ「うん、じゃあな。」
Ａ(ゆっくり３歩くらい歩く)
Ｂ(軽くため息つきつつ、戻ろうとする)
Ａ「(急に立ち止まる)あ、でも…、斧、濡れてる……。」
Ｂ「………(嫌な予感がしてＡを見る)」
Ａ「錆びちゃうう～～！！！(また泣きじゃくる)」
Ｂ「拭く拭く拭く！」
Ａ「鋭い切れ味こそがああ～～！！何よりもおお、父を感じる証明でええ～～！！！」
Ｂ「(泉の中からタオル探す)ちょっと待って、泉の中だから乾いてるやつが……。」
Ａ「(泣く)」
Ｂ「はいはいはいはい。(Ａにかけより、タオルを絞った後に斧を拭く)はい、ほら！これで大丈夫だろ？」
Ａ「金も銀も～～！！」
Ｂ「はいはい。厚かましいなこいつ…！」
Ａ「うわああん！！」
Ｂ「ああもう！(金も銀も拭いてあげる)はいほら！ちゃんと拭いたから！」
Ａ「………。」
Ｂ「だから泣きやも！な？」
Ａ「……すみません何度も。」
Ｂ「いや、いいよもう。」
Ａ「………。泉から出られるんですね。」
Ｂ「出れるよ。休みの日とかそこで日向ぼっこしてるし。」
Ａ「そうなんですか？」
Ｂ「とりあえず、これでもう大丈夫？」
Ａ「はい、すみませんほんとに。ありがとうございました。」
Ｂ「はい、じゃあ気を付けてね。」
(Ａ 下手にはける)
Ｂ「はあ…、すっごい疲れた。」
(Ａ 泣きながら戻ってくる)
Ｂ「もう！今度は何！？」
Ａ「その、そこで転んじゃって…斧が…崖下に…。」
Ｂ「なんでそんな簡単になくすの！」
Ａ「すみませええんん！」
Ｂ「一緒に探してやるから！ほら！どの辺？」
Ａ「あ…、あの辺です。」
Ｂ「はい、じゃあちゃんと見つけるから。今は泣き止む。」
Ａ「すみません…。あ、あの…泉から離れて大丈夫なんですか？」
Ｂ「大丈夫だよ。たまに下のコンビニにもいくし。」
Ａ「コンビニいくんですか？」
Ｂ「ついでにジャンプ読んで帰るから。な？（ＡＢ 下手にはけながら）すみません。ありがとうございました。」
