妄想してたらかなりの長編大作

「桃太郎」に退治された鬼ってあのあとどうなったんでしょうか?考えてみました。
文章力ないですが我慢してください。
 
 
 
「桃太郎スピンオフ ~鬼~」
 
 
むかしむかし、あるところに桃太郎に退治された鬼がいました。
桃太郎に倒された鬼はすっかり改心し、なにか人の役にたちたいという理由からとりあえず働くところを探すことにしました。
しかし、就職難のこの時代、なかなか働けるところなど見つかりません。
鬼にとって就職先を見つけることはまさに鬼門でした(鬼だけに)。
 
桃太郎に宝を持って行かれた鬼にとって、生活するお金はほとんど残っていませんでした。
家賃も払えなくなりアパートから追い出されてしまった鬼。
その日の夜、鬼は途方にくれて公園のベンチに座っていました。
 
すると、どこからか女の子がやってきて言いました。
「鬼さん!こんなところで座って何してるの?はやく家に帰らないと風邪ひいちゃうよ?」
「鬼さんはね…、帰る家がないんだ…」暗い顔をして鬼は答えました。
すると、女の子は明るい声でいいました。「そっか…、だったらウチにおいでよ!」
どこにもいくところのない鬼は、女の子のいうことに従うことにしました。
 
 
女の子には両親がいませんでした。小さい頃交通事故で亡くしてしまったのです。
今は年老いたおばあさんと2人で住んでいました。
おばあさんは突然やってきた鬼をあたたかく家に迎えてあげました。
 
こうして鬼と女の子とおばあさんの3人での生活がはじまりました。
鬼は就職先を探すとともに、おばあさんの家事の手伝いも積極的に行いました。
また鬼さんは女の子ともたくさん遊んであげました。
両親がおらず今まで遊んでくれる相手がいなかった女の子にとって、それはとてもうれしいことでした。
 
こうして3人は平和に暮らしていました。
しかし、この平和な日々も長くは続かなかったのです…。
 
 
 
ある日、街中でこんなウワサが流れはじめました。
「この街には鬼が住んでいる」
 
はじめはただそれだけだったのですが、鬼がいることに恐怖をもった住人たちは口ぐちにこう言いました。
「鬼がいるなんて危険だ!」「この街から追い出せ!」「いっそのこと殺してしまったほうがいい!」
 
この街に鬼のいる居場所など残っていませんでした。
鬼を追い出せという周りの声は高まるばかり。
鬼はずっと家に隠れていました。そして女の子も心配に思いました。
しかしある日、ついに家に警察の人がやってきました。
 
「この家に鬼がいるという情報がさっき電話ではいってきました。」
警察の人は鬼を連れていくつもりでした。
 
鬼は家の奥のほうでぶるぶる震えていました。連れていかれたらそのあと自分がどうなるかわかりません。
そんな鬼に対し、女の子は言いました。
「大丈夫。おばあちゃんがうまくごまかしてくれるから。心配いらないよ。」
 
 
しかし、おばあさんは警察に予想外のことを言いました。
「鬼は奥で隠れています!さっさと連れて行ってください!」
これには少女も鬼もびっくりでした。そうです、街に鬼がいるウワサを流したのも、電話で鬼がいることを伝えたのも実はおばあさんだったのです。
 
おばあさんは年金暮らし。はじめはあたたかく鬼を迎えていたのですが、
ただでさえ女の子がいるのに、さらに鬼を養うお金など残っていなかったのです。
就職先をなかなか見つけられない鬼に対して、それはおばあさんが郷を煮やした結果でした。
 
「おばあちゃんのウソツキ!」女の子は言いました。
警察は鬼を連れていこうとしました。鬼は必死に抵抗しましたが、無理矢理警察が抑えました。
 
「待って!鬼さんは何も悪いことしてないじゃない!」女の子は叫びました。
警察は言いました。「お嬢さん。世の中には存在しているだけで悪となる存在がいるんだよ。」
「おばあちゃん!」
おばあさんは静かに首を横にふりました。
 
女の子は叫びました。
「なによ!みんなして!これじゃあ、あなたたちのほうがよっぽど鬼じゃない!」
女の子はワンワン泣きました。
 
鬼は警察につれていかれてしまいました。このあと鬼がどうなったのか女の子は知りません。
ただ、女の子が鬼と会うことは、もう2度とありませんでした…。
 
「鬼」。それはもしかしたら人間の心の中に潜んでいるのかもしれません。
 
おしまい
 
 
 
 
 
うん、なんだコレ?