コント 「カラオケのフロント」

ちょっととある物に影響を受けまして久々にネタの台本を書いてみました。
見返したら11ヶ月ぶりでブログに載せるのほんと久々です。
 
長文なんで基本誰も読まないのと、しばらくして見返したら自分で書いたのに何が面白いのかわからない時があって、恥ずかしくなるんですよね。
 
コントというよりは会話劇みたいな感じです。
かなり単純なボケで、淡々と進み淡々と終わる仕上がりになりました。
面白いかどうかは知りません。
 
 
コント「カラオケのフロント」
 
A「いらっしゃいませ。おひとり様でしょうか?」

B「はいそうです」

A「すいませんお客様、ただいまお部屋のほうが満室になっておりまして」

B「あっ、そうなんですか?」

A「ご相席という形になるんですけどよろしいですかね?」

B「ダメですね。だいぶ気まずいでしょそれ」

A「ただいまですとカップルシートにぶちこむ形に」

B「よりによってじゃないですか。あの、待ちますんで」

A「待っていただけます?」

B「どれくらいかかりますかね?」

A「そうですねこの時間帯ですと30150円という形でやらしてもらってるんですけど」

B「お金じゃなくて」

A「え?」

B「え?会話の流れでわかりませんでした?」

A「はい」

B「わかりませんか?」

A「ちょっと滝近くみたいに激流だったもんで」

B「流れるプールくらいゆるやかだったと思うんですけど。待ち時間の方です」

A「そちらですか。5分くらい待っていただければ」

B「あっ、思ってたより早いですね」

A「よろしいですか?」

B「はい」

A「かしこまりました。ではすいません先にこちらの紙にですね、氏名・年齢・電話番号・ペンネームのほうお書きいただけますでしょうか?」

B「ペンネーム?」
A「はい?」

B「ペンネームいります?」

A「お願いします」

B「あいにくそういうの持ち合わせてないんですけどね」

A「あっ、じゃあこちらのほうで勝手に決めさせていただきます」

B「それでいいんですか」

A「はい」

B「あ、じゃあこれ書きました」

A「ありがとうございます。ではそちらのお席におかけになってお待ちください」

B「はい」

A「あっ、あとすいませんおかけになる前にこちらアンケートのほうがございまして」

B「アンケート?」

A「はい。今日ご利用してみて思った感想・要望などをいつもお客様に書いてもらってまして、今お時間ありますのでもしよかったらお書きください」

B「まだご利用してないんですけどね」

A「そうですか」

B「何の意味もないデータになってしまいますけど」

A「それはそれでまた得られるものがあるかと」

B「ありますかね?」

A「まあとにかくおかけになってお待ちください」

B(席座る)

A「あっ、ご利用ありがとうございます。すいません。そちらお預かりいたします」

B(違うほう見ながら待つ)

A「そうしましたらですね、本日お会計のほうが1万2700円になります」

B「何泊したんだ」

A「13000円からで」

B「何泊したんだあの客」

A「すいませんこちらお釣りのほうになります」

B「もう声枯れてるを通り越してなくなりかけてるな」

A「ご利用ありがとうございましたー」

 
A「すいません。大変長らくお待たせいたしました。1名でお待ちの焼き肉パンチ様。」

B「………」

A「焼き肉パンチ様」

B「………(キョロキョロ)」

A「あのすいません、○○様?」

B「やっぱ僕ですよね!」

A「はい」

B「ペンネームで呼ぶのやめません?」

A「やめます?」

B「そっちで勝手に決めたペンネームで呼ぶのやめましょ。わかりにくいですし」

A「そうしますか」

B「しかもなんでよりによって決めたペンネームがレギュラー松本のハガキ職人時代のやつなんですか」

A「よくご存じで」

B「普通に本名のほうがいいと思いますけどね」

A「なるほどわかりました。とりあえず要望のほうですのでそちらのアンケートのほうにお書きください」

B「今直で言いましたけどね。2度手間だななんか」

A「それでは本日ご利用時間のほうどうなさいますか?」

B「2時間で」

A「2時間。2時間何歌われます?」

B「はい?」

A「2時間何歌われますか?」

B「えっ、それいちいち言わないと駄目ですか?」

A「困りますんで」

B「何が困るんですか」

A「教えていただかないと曲の入力のほうができませんし」

B「自分でやりますから大丈夫ですよ?」

A「申し訳ございませんお客様。当店曲を入力する機械が全てフロントのほうにございまして」

B「はい?」

A「こちら側で入力しますので始めに教えていただかないと何も歌っていただけない形になるんですけど」

B「なんですか、そのシステム!?えーマジか」

A「マジです」

B「とんでもないシステムだなこの店。そもそもその時の気分で入れたりもしますし、2時間何歌うかなんて決まってないですよ?」

A「そうしますと、こちら側が勝手にランダムで入れるという形になるんですけれど」

B「困りますね。なんでちょいちょいそっちで勝手に決めるんですか」

A「何歌われます?」

B「えー、じゃあもうとりあえず『さくらんぼ』と」

A「すいませんお客様それはどういった曲で?」

B「知らないですか?」

A「ちょっとピンときてない…」

B「有名ですよ?大塚愛の」

A「どんなんでしたっけ?」

B「え、だから『♪笑顔咲ク~ 君と つながってたい』」

A「あーなんか聞いたことがあるような。もう1フレーズ」

B「もう1フレーズ!?」

A「お願いします」

B「なんでこれから歌うのにここで歌わないといけないんですか」

A「思い出さないと入れれませんので」

B「えーもう。『♪もしあのむこうに 見えるものがあるなら愛し合う』」

A「あー」

B「『♪ふーたーり 幸せの空』」

A「あーなんかうろ覚えですね」

B「うろ覚えですか」

A「『♪照れくさくて あなたの 肩にラリアット』?」

B「違います」

A「違いました?」

B「違います。そんな愛しい彼に攻撃しないです」

A「途中『もう1回!』とか言ってませんでしたっけ?」

B「あれそんなドMな彼氏がもう一度ラリアットを要求する内容ではないんで」

A「まあでもだいぶ思い出したんで入力はできそうです」

B「できます?」

A「はい」

B「ならよかったですけど」

A「で、次は?」

B「え?じゃあ『壊れかけのRadio』」

A「あーそれは知ってます」

B「知ってます?」

A「♪『思春期に 少年から 大人に変わる』」

B「そうそうそれです」

A「♪『ほんとの幸せ おしーえーてーよ あーたしさくらんぼ』」

B「混ざってます。きれいに混ざってます」

A「あれ?」

B「混ざってるし知ってるじゃないですか」

A「まあ大丈夫でしょう。で、次3曲目は」

B「いやいやだからそんな何歌うかなんて決まってないんで」

A「そうなってしまうとやはりランダムで入れることに」

B「それもイヤですし」

A「『だんご3兄弟』多めのランダムになってしまうんですけど」

B「なんで偏りが出てくるんですか。歌いたくもない曲多めにしないでくださいよ」

A「私が好きなもんで」

B「とにかくシステムに無理があるんですって。そんなフロントで歌う曲全部言うの無理があるでしょ」

A「ですが7日分きちっと言ってくださったお客様もおられますから」

B「さっきの客!7日の時点で特異なんだからそれは例外としてカウントしてください」

A「7日分の曲伝えるのにまた5時間くらいかかりましたからね」

B「それはあなたの曲の知識が狭いのも手伝ったと思いますけど」

A「どうしましょうか?」

B「どうしますかねほんと」

A「帰られます?」

B「帰るの勧めてくる店員初めてですけど。じゃあもう帰ります」

A「帰りますか」

B「はい」

A「じゃあアンケートのほうだけ出していただいて」

B「まだ書いてないですから」

A「書けてないですか?」

B「じゃあこれ『不満』って書いて入れといてください」

A「かしこまりました」

B「あと2度手間のやつと」

A「2度手間のやつってなんでしたっけ?」

B「ほらー、アンケートに頼りすぎて直で言ったことないがしろじゃないですか。もういいです」

A「よろしいですか?」

B「はい」

A「それではお客様、またのご利用お待ちしております」

B「はいはい」

A「ご利用ありがとうございました」

B「はいはいどーも。はあ、なんだこの店。むちゃくちゃだなほんと。絶対客こないだろ」

A「お客様、つい先ほどまで満室でした」

B「そういえば確かにそうでしたね」